印象…やさしい人の
la_feminite_nue(死に巫女)
ああ、どんなにはっきり知りたいのに、どうしても知りえない。どうしても確かめたいのに、どこにもそれは明かされない。くらく苦しいばしょへと、ああ。あなたは降りてゆくのね。
そこで、天が降りるように、私たちのもとめる真の宝を抱きとめて、愛撫するため、風にまかされる身なのに、あなたは求めようとするのね。
ああ。どんなにここはおそろしい。どんなにあなたのたくましさも、ここでは灯影のように怖じ気づく。
ゆらめいて波のように、ながされて小舟のように。葦たちの
舞踊
(
ダンス
)
のあいだに、親しく歌のようにきこえて、あなたは口をすぼめながら、口づけばかり交わしてゆく……、とりまく緑の精霊と(たしかめられない声のとりひき)。
それは、それは、眸のおくからしぜんにでてくる光にも似て、けれどもどんなに
強
(
つと
)
めあげたこと(あえぐようにしぼりだす)。
どうしても愛したいのに、私たちには愛せないので、この身がわりに愛してくれる。どうしてもはなれられない、暗くくるしいばしょへゆきながら……。ああ、あなたはほんとうに孤独なやさしい風のひと。
自由詩
印象…やさしい人の
Copyright
la_feminite_nue(死に巫女)
2019-10-10 12:34:57