女子高生ラップ選手権
ああああ
二十歳まであと四年もないから思い出づくりに余念がない。肩ぶつけたらごめんなさい。タピオカミルクの行列に並ぶ。アジアの風を壮絶に学ぶ。そう、うちらは女子高生。所信表明は正真正銘おれの言葉だ一言半句。トーストに塗ったいちごのジャム。太らない体質は若いうち。風呂上りのお尻を鏡で確認。君の近くに私はいるよ。君の視線も気づいているよ。ちゃちな噂に傷ついているよ。十六しっかりキックするよ。いくつもの目よ、おれを見つめろ。
いくつものネオン、うちを照らせよ。
いくつものレモン、爆破してテロ。
いくつものメロン、君は煮詰めろ。
いくつもの目よ、うちを見つめろ。
あっちもこっちもただのぶりっ子。そんなんで優勝とか、まず無理っしょ。ステージ立ってもメッセージ、ねーならまじで意味ねーし。風で膨らむスカートか、白く輝くシュガーとか、みたいに派手に咲いてみせる。やばすぎる詩を吐いて捨てる。スノーの自撮りより輝く瞳。夜のプールでディスコ。百万回のキスをリストの傷と。くるくる回るピアノスツール。ギターなくてもシカゴブルース。悲しい恋の嵐はやんで未来から飛んでくる鳥をみたいです。
いくつものネオン、うちを照らせよ。
いくつものレモン、爆破してゲロ。
いくつものメロン、君は煮詰めろ。
いくつもの目よ、うちを見つめろ。
自由詩
女子高生ラップ選手権
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ああああ
2019-10-10 07:41:31