愛は惜しみなく奪わない
こたきひろし

そこには深い井戸があって
井戸の側には渋柿の木があった

渋柿は渋を抜かなければ食べられない
それなり手間がかかり
時間もかかるから

季節が来て
たわわに実を付けても
それが災いした


大半は熟して実を落とし
時間の経過には逆らえず
腐り果てた

家には
一人娘がいた

夫婦の間に遅くできた子だったので
溺愛されて育った
それが災いして我が儘になってしまった

年ごろになって
見目麗しのおんなになった

言い寄る若い男は引く手あまた
それが災いして
一人として実を結ばなかった

自尊心の高さが
我が儘が
おんなの渋になって

それでも甘味はましていく
いつしかおんなは体を持て余した

それでも
おんなの渋は抜けないままに

いつしか熟して落ちてしまった
そして
いつしか
腐って果てた

 誰にも評価されない粗悪な詩を書いて
 しまった。 
 
 私の真意は深意は、自分でも理解できま
 せん。きっとまともに詩を書けなくなっ
 いるからでしょう。その焦りからです。
 ああ嫌だ嫌だ。
 この救われない嘆きをなんとしよう。
 
 次は頑張るか。


自由詩 愛は惜しみなく奪わない Copyright こたきひろし 2019-10-10 06:28:55
notebook Home 戻る  過去 未来