臍のを
あるみ




天袋にしまわれていた

臍のを

私を産み落とした人の

面影に繋がる

ひからび

しがらみ




産まれてからずっと

寂しくて

カーテンから漏れてくる光に

しがみつきたかった

あたたかい場所に繋がっている光に

しがみつきたかった




陽に焼けた畳の上で

服を脱いで

鏡の前に立つ

艶のない髪

化粧気のない顔




このままもう一度

思い切り泣いて

裸のまま

精一杯泣いて

この光をたどったら

産まれかわれるかな




あたたかい所に

産み落とされるかな

















自由詩 臍のを Copyright あるみ 2019-10-10 01:22:36縦
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