すずなり横丁の夜 に捧ぐ
梅昆布茶

ぶらっと寄らないかあの店へ
忘れられないひとが待っているかもしれないから

すずなり横町とライブハウス
本多劇場と誰も歌わないあのうた

ロングバケイションとお気にいりのロケーション
計器飛行を続けるこのよるの
懐かしいざわめきを

未来都市では生活できないだろう僕はそれでも未来がすきだ

僕たちの生活は些細なことで分解され
分析されて成長歴とか成人後の履歴とか
巨大なサーバーで管理されるのかもしれないが

未来都市では生活できないだろう僕はそれでも未来がすきだ

アドラー心理学の明解と美しすぎるウイーンと
ヨハンシュトラウスのワルツを踊るフロイト

テクノロジーと柔らかなお月様と
どこにも深くかかわれない自分があって

ぼくたちの夜が形成されてゆく
あるいは
ぼくたちのよるはどこにもとどかないかもしれないのだが






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自由詩 すずなり横丁の夜 に捧ぐ Copyright 梅昆布茶 2019-10-08 00:16:45
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