秋口
ひだかたけし

秋口が開き
無辺の静かさ、響く
赤々と彼岸花咲く土手の向こうから
手招きするように
ゆっくりと、ゆっくりと

)もうはっきりとは
)思い出せない過去がある
)色褪せながらジリジリと
)胸を疼かせていく鉛の想念

ただ懐かしく、ただ哀しく

秋口が開き
無辺の静かさ、響く
赤々と彼岸花咲く土手の向こうから
手招きするように
深く、深く








自由詩 秋口 Copyright ひだかたけし 2019-10-06 13:48:25
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