海月夜
ミナト 螢

海に浮かんだ
満月は臨月
その膨らみを
我が身に重ねて

呼ばれてもいない
暗闇の中で
下着をはみ出す
肉を震わせた

逞しくなれよと
言われながら
大きくなったのは
随分前だ

君を育てるための
隠れ家なら
もうすぐ壊して
出て来るんだよ

その泣き声は
全てに勝てるから

潮風の匂い
ここまで飛ばせば
耳たぶがまた
熱くなるね


自由詩 海月夜 Copyright ミナト 螢 2019-10-04 08:49:04
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