ゼロ
ミナト 螢
洗剤を飲んでこの身体ごと
泡立てて綺麗に生まれ変わろう
鼻から飛び出すシャボンは小さく
天国で揺れるお花みたいだ
張り裂けそうなクッションを抱いたら
跳ね返る痛みここだと教える
不安で不満な心に殴られ
丸めたティッシュが薔薇に見えた時
芸術と少し仲良くなれた
骨の数を叩く魂だけが
神様の目を持ち眺めている
世界は円高で動くけれども
小銭の音が何故しないんだろう
ジュースを買うたびにお札ばかりで
自販機のお釣りが足りなくなるね
自由詩
ゼロ
Copyright
ミナト 螢
2019-10-03 08:42:34