春の印
ミナト 螢

春の桜が
切手になる前に
思いを届ける
言葉を探して

生きることは
きっと寂しいけれど

ひとつの季節が
終わろうとする

この行間に
愛を埋めたい

プリーツスカートの
折り目の中で
一緒に歩いた
花びらの印

形を変えても
匂いは同じ

手紙をしまった
最後の残り香


自由詩 春の印 Copyright ミナト 螢 2019-10-02 09:31:03
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