手毬唄
la_feminite_nue(死に巫女)

柿の木ひとつ、実をつけた
柿の木、風にゆられます
 
柿の木ふたつ、実をつけた
柿の木、雨に濡れてます
 
柿の木みっつ、実をつけた
烏がそれをついばんで、
 
柿の木よっつ、実をおとし
栗鼠がきて、口にくわえたよ
 
柿の木いつつ、もう実はないの?
柿の木むっつ、もうすこし
 
柿の木ななつ、実をつけて
柿の木やっつ、山の背に
 
柿の木ここのつ、木の葉のかげに、
柿の木とうとう、十の実よ
 
柿の木、とうの実をつけたとき、
柿の木の枝が鳴りました
 
通りがかりの百姓さんが
薪にしようと切り倒し
 
柿の木の、切り株や
もう実をつけることはないのね
 
柿の木の、切り株や
もう実をつけることはないのね


自由詩 手毬唄 Copyright la_feminite_nue(死に巫女) 2019-09-20 16:21:20
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