平和な日々
若乱
大事なガラクタなくなっちゃった
あくまのかけらが霧散した
風船ひゅるひゅる抜けてって
泣き疲れた絶望が
すやすや寝息を立てる頃
諦めという
とろけるほどの優しい吐息をあげよう
腐りたての無感情
絞りに絞っただしがらへ
腐敗なら、匂いがたのしみに
砂漠なら、枯渇がたのしみに
未熟すぎる鮮色に
死に死を続ける稚樹達へ
白紙なら、幻滅がたのしみに
夢なら、蜃気楼がたのしみに
けれどここには何もない
あるのは平和な日々だけ……
自由詩
平和な日々
Copyright
若乱
2019-09-19 18:42:52