感情の極彩
都築あかり

僕達の関係なんて、
たかだか青い春でしかなくって、
赤い糸なんて微塵も感じなかった。

ただそれだけだ。

花が咲いて、風に吹かれて、ただ枯れゆくように、
希薄な儚いものでしかなかった。

それでも、僕達はそれにしがみついて
信じてやまなかったのだ。

ただそれだけだ。

そんなものに感情を揺さぶられ
悲しみ哀しみ憐れむ。

色なんて、目に見えないもので、
ただただそんなものに
呪縛されていた。

解放されて、今僕に何が残るのだろう。

感情なんて色彩でなんか
表せやしないのに。

僕はただの灰色の肉片。


自由詩 感情の極彩 Copyright 都築あかり 2019-09-04 01:28:50
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