泣く手放した花を
イチカワナツコ

様々な色のひとを好きになって
色々な温度の夢をみて
痛々しい日記を書き続けて
泣く泣く手放した花をまた植えて
空が今日も高くて
ふと思い出す

一輪挿し
重なる腕
テーブルの上で

また呼ぶ
名前

低空飛行
京都鴨川
群青色の夜
その匂い
その向こう

結婚したね
私もした
娘も産まれたよ

遠い記憶
頭の中で
未だにそこだけ
湿ってる

在るものも
無いものも
ただただ掴んで
必死に抱きしめていた
そんなことができなくなって
気付く
振り返る
随分遠くまで来たよ

水やり、忘れないで
わたしも、忘れないから








自由詩 泣く手放した花を Copyright イチカワナツコ 2019-09-03 20:34:02縦
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