まっすぐに生きよう
田中恭平
今日の仕事は終わり
あしたは休み
寝室に入って
ドアを閉める
ほんとうの自分にもどっている
ほんとうに?
ほんとうのじぶんなのか?
わからない
とにかく安気したじぶんだ
こんな言葉遊びにも飽きてきたころ
秋の涼しさに
くしゃみした
さて断捨離にとりかかろう
書庫を漁ろう
こころが
さよなら、じぶん
と
告げるまで
大切な本を
あえて図書館に寄贈する
だって図書館には借りがあるし
そういえば
大切なひとにlineするのを
忘れていた
なんだって書いてしまうんだ
書いて
落ち着こうとする
孤独な旅人
ここが借宿に過ぎないのならば
思考は西へ東へ
精神的風船はいつまでも
とんでいられるわけじゃない
いつか墓みたいなどっちらけになるなら
それを見つめつつ
まっすぐに生きよう