潮騒
立見春香

うれしくてうれしくて
とてもさみしげな青空を背景に
ひとりバカみたいに
笑ってる

とおい記憶をたよりに
あの海へ行けるのか
子どものころなんども行った
あの夢の中

のろいなど
きいたこともなかったあさに
すなはまに
お城をつくった

いまのわたしなら
アクマにタマシイをうったって
笑っていられるわ

あのお城は
夕闇のなかでも
消えずにいたけれど

かげがね、
なくなると
とけるように
消えてなくなったようなきがする

うそつきがすきよ

とてもさみしげな半月をみあげて

そんなうそもついてみる
潮騒が
消えるこどくを
また
生まれいずるこどくを
しりたいと


自由詩 潮騒 Copyright 立見春香 2019-08-23 05:19:50縦
notebook Home 戻る  過去 未来