夏の夜の幻想
丘白月



満月の夜に妖精を見た

風の精と踊る葉は光り
粉雪のように揺れ
私に降りそそぎ
こっちの国へおいでと言った

明日になればきっと忘れる
今夜だけ私は妖精になる
白い光りに溶けていく

遠くで手を振るのは誰
懐かしい顔が見える
好きだった人ではない
あれは幼いころの私

そう だからなのね
妖精を胸に抱いて
我慢していた涙が溢れた

一緒に遊んだ夏があったね
ありがとうまた逢えたね




自由詩 夏の夜の幻想 Copyright 丘白月 2019-08-22 17:43:43
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