オシロイバナの妖精
丘白月



赤いラッパと白いラッパ
雨が止むのを待って
空に向かって奏でる
今はまだ逢えない
遠い星に向かって吹く
夢の中の声は小さくて
全身で聴きとって泣く
小さな黄昏に果てしない影
私の話を掴まえてくれるなら
妖精よあなたのラッパも
一緒に聴いてあげるよ
私の好きな人は
あなたの手で創られた白い
雪のような魔法に包まれてた
あの夜の初雪は
果実が壊れてしまったから
私も今夜はラッパを一つ吹く
肩に座って聴いておくれ
耳元に立って話しておくれ
私達の想い出を
今はもう物語の中のこと



自由詩 オシロイバナの妖精 Copyright 丘白月 2019-08-19 19:52:59
notebook Home 戻る  過去 未来