ひえ
田中恭平


労働はおわり
ためいきをつき
蝉の声を
あびながら帰る
なつかしさの道へ出る

まだ
なにも
知らなかったころの
わたしは弱い
しかし
色々
本を読んだとして
強くなった
わけではない

痛みは
いつか感じた痛みは
こころと
からだを
乖離させ
宇宙に
孤独であるような
気もするような
そうではないような

座し
汗はひえて
このまま
どこかとおく
例えば死へさえも
行ってしまっていい
そこはすずしいだろ

考えた途端
かえっている




自由詩 ひえ Copyright 田中恭平 2019-08-07 09:06:15縦
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