解放されてなにおもう
田中恭平
解放されて
なにおもう
なにごともなし
冷蔵庫の
中の
バラエティ
目が
チカチカ
するよ
チューインガムを噛みながら
ばさら ばさら
と
木が
切られてゆくのを
みていた
あかるめられて
山荘も
復活した
マリアのようなあなた
ビートルズの詩集はどうだった?
炎天のなかをゆくあなた
電話で聞いていた
声は弾んで
わたしの頭痛を
緩和してくれた
こんな身でなければ
日曜は聖書に目を
通している筈なのに
インターネットしている
すぐ忘れることを覚える
身はますます
薄荷となって
へやに香っている