夏乞い
ナンモナイデス


夏には何かと、ソウゾウしい何かを、
そんな何かを、心待ちにしたりして、
自分の時間を、費やしたりしたりして。

       昼寝でもすればいいものを、
       遠くで鳴っている雷鳴に、
       夕立を期待したりして。

       激しい雨なんてすぐにやむ。
       そんなことぐらい知ってはいる。
       でも地震後の今では、雨漏りが不安。

       化粧箱の中を覗いてみた。
       手足のない綺麗な娘だった。
       「パタン」と男が箱のふたを閉じた。

       小松左京は阪神の震災後、死んだ。
       その後、「人工実存」となり、
       「宇宙消滅」についてSSで執筆しているらしい。



自由詩 夏乞い Copyright ナンモナイデス 2019-08-03 12:37:26
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