休憩のち散策
田中恭平
浅い眠りで
いま 意識はたゆたう
冷房の効いたへや
終えたしごとをよろこぶ
蝉のこえ
ジャズ・ピアノ
ワンモア・カップ・コーヒー
欲舞う日々を律し
目を閉じたり
ひらいたりする
脳内はたいへん
たのしくもあり
苦しくもある
谷のなかを行くよう
おぼろな不安が
燃やされた氷のように
蒸気をあげている
なぜひとのように
楽しめないんだろう
なぜひとのように
脳が元気じゃないんだろう
数々の疑いが
滴
して
消える
消えてゆく
血流がよくなるように
炎天のなかをいこう
あたらしいサンダルで
ヘッドホンして
歩き出そう