海からの光
草野春心



  あの時のきみがずっと
  ぼくの傍でねむっている
  少しだけ、雨の匂いをさせて

  笑いながら喋りつづけた
  言葉はむなしい闇にのまれた
  若く優しいだけでいられた
  ほんの束の間

  みえない汽船に揺られていく
  記憶のなかで 何度もぼくは振りむく
  海からの光がきみの頬ではじける




自由詩 海からの光 Copyright 草野春心 2019-07-21 11:43:02
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春心恋歌