六十四歳になってしまった
こたきひろし

六十四歳になってしまった
今更
文学への高い志しなんて持ってないよ

ただただ
インターネットいう海に
言葉の葦の舟で漕ぎ出しただけ
もしかしたらその行く末は
砂漠の果てに打ち上げられてしまうかもしれない

だけど
それがいいんだなア

言葉の雨で貯まった海に
浜辺で組んだ葦の舟

私の底に沈む泥
汚泥
愛欲とか性欲とか
金銭欲とか

憎悪とか敵意とか
ありとあらゆる汚泥

それをすすぎたいから
浄化できるとは思えないけれど

にわかづくりでいながら
嘘の扱いになれた
詩人になろうとしていた

六十四歳


自由詩 六十四歳になってしまった Copyright こたきひろし 2019-07-20 01:30:41
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