時差エイプリルフール
ヤギ

朝起きると両目がハートマークになっていた
しかし見た夢は思い出せない


ご飯を食べているとキリギリスが大口開けて飯を食わせろという素振りをした
仕方なくレタスを詰め込んでやると礼のつもりかバイオリンを置いていった
小さすぎて弾けないので机の中にしまった


手を腰に当てて牛乳を飲む牛を見かけた


電車に乗っていた何処かの国の王子が
電車と発音できずに「テンシャ、テンシャ」とはしゃいでいた
世話役らしき老人達がハタキらしきもので車内をパタパタやるとひどく埃が舞い上がり
咳き込みながら落ちたものを拾い上げると濁点だった
ポケットに入れといた (ポゲッドにはならなかった)


夕焼けがあんまり綺麗なので沈んで欲しくないと考えたとたん
太陽が少しだけ昇ってくれた
その後でまた沈んだ


新しい法律が出来たために好きな人には好きと言わねば恐ろしい刑に服することとなる


世界中に嫌いな人間というのが一人もいない


隣の住人の痛みが分かる  気がする


今、誰も誰をも殺していない


両親を愛そうと思う


腹の底から幸せだと叫べる


4月1日に言え?
バカだなあ
時差だよ 時差


自由詩 時差エイプリルフール Copyright ヤギ 2005-04-02 03:30:16
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