太陽
両性具有

やっと
太陽をつかまえた
つかまえた腕のなかで
少しだけふるえていた
唇をかさねると
少しだけ悲しそうな顔をして
それから
眠るように目をつむった

抱きしめた腕のなかに
太陽のにおいがした
春の木かげにとけのこる
静謐な雪のにおいがした
目をつむった闇のなかに
太陽の光があふれはじけた

やっと
太陽をつかまえた
つかまえたぼくの腕も
ふるえていた
君が目をつむると
ぼくも目をつむって
それから、ふかくふかく
息を吸い込んだ

陽の落ちた部屋の闇に
狂おしい
太陽のにおいがした










自由詩 太陽 Copyright 両性具有 2019-07-05 20:12:24
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