相合の傘の下には
こたきひろし

相合の傘
二人は肩を並べて歩いていた
その時
勢い後ろから車が走り過ぎた
何の配慮もなく
水しぶきをあげて通り過ぎたから
外側を歩いていた人は水を被ってしまった

お互いが好きあい
愛し合う関係だったとしても
片側の人だけ被害をこうむってしまった

二人とは無関係な私だが
偶然に見てしまいとても切なくなった

それで
それが原因で
まさか
二人の信頼と愛が揺らぎだして
その関係にヒビが入ったりは
しないだろうけれど

傘を持つ人の手と
持たせる人の気持ちが気になってしまった
夕暮れ時の雨でした




自由詩 相合の傘の下には Copyright こたきひろし 2019-07-04 07:00:19
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