夏空にひとり眠る
森田拓也
鷺草
(
さぎさう
)
が風に
真
(
まこと
)
の鳥のごと
ベランダに遠花火見る影ひとつ
手花火が口紅うすき
娘
(
こ
)
を照らす
風死して野良猫も耳すましたり
枯れて
尚
(
なほ
)
時刻むごと時計草
曲終へず破れざらなん
草笛
(
くさぶえ
)
よ
梅雨雲
(
つゆぐも
)
の切れ間が
一羽
(
いちは
)
鳥を見す
小波来てくるくる回る
海月
(
くらげ
)
かな 🛸
蓮
(
はす
)
の香や事故る宅配ドライバー 🆖
死者の過ぐガンジス川の水遊び 🕌
俳句
夏空にひとり眠る
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森田拓也
2019-06-26 19:49:50縦