果てしなきCrawl
ハァモニィベル

僕の前で、夜が眠っている

永遠にどこまでも続きそうな橋の真ん中に

巨体をぐっすりと横たえたまま

乗客が僕だけの列車は先に進むことができず

夜の鼾のような発車のベルが響くなかに停止している

たくさんの夢が空から頬に落ちてくる

そして足元が砂で埋もれ出す

非常ボタンを押して、非常扉の向こうへ抜けると

僕の両脚は巨大な砂漠の中にめり込んだ。僕は腰まで砂に埋もれた。

夜は、那由多の埃が積り積もった砂漠になって「お帰りなさい」

と、僕に声をかける。

僕は胸まで砂に飲まれた。

乾ききった海の上を、冷酷な風だけが泳いでいった・・・。

そこから はじめて ほんとうの

人世の朝が、ほんとうに 始まる











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自由詩 果てしなきCrawl Copyright ハァモニィベル 2019-06-17 21:35:29
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