はじまりを脱ぐ
かんな

あさ、
と呟いたことばを
ひと呼吸おいて窓辺に置くと
射し込むひかりに反射して
きらきらとひかる

うとうととする
あさ、のとなり
クロワッサンがやさしい匂い
ぼおばる月のかけらが
少しだけあまい

鏡の中で
しずかにほほえみ
はじまりをひとりでにまとう
あさ、という服を
脱ぎたいわたし



自由詩 はじまりを脱ぐ Copyright かんな 2019-06-06 22:11:55縦
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