のんべんだらり
帆場蔵人

夢みつつ、ひとつふたつ
昼間から夢ばかり数えて
そんなあなたには猫だって
退屈を噛み殺しているわ

そんな皮肉にもぼくというやつは
こたえもせずに退屈ってのは
どんな味がするんだい、と
猫にきいてしたたかに顔を掻かれて
本当に仕方ない生き物であるが
詩人がのんべんだらりとしている
世間の方がきっと幸せだろう

夢みつつ、ひとつふたつ
そんな生活を夢見ながら
額に玉の汗掻いて
たまの休みに
また猫に顔を掻かれて
呆れられていたいのだ

なぁ、猫よ、おまえは虎に
なりたいのかね、おまえの
夢もひとつふたつと数えてみたい

夢みつつ、ひとつふたつ
きりがない、きりがないから
楽しいのだろう、なぁ、猫よ

のんべんだらりのんべんだらりと
いきていきたいのだよ


自由詩 のんべんだらり Copyright 帆場蔵人 2019-05-23 23:29:16
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