秘密の願望
赤椿

ザクザクに切り刻んで 破片なんて残してはだめ

後悔なんて 生きていくほどに 重く苦しくなって行くんだから

誰かのせいにして 喚き散らして グチャグチャに踏みにじってしまいたい

そうやって自分の爪を噛みながら 妄想するけれど

結局のところ 切り刻むことも 踏みにじることも

返ってくるのは自分自身で 気付いたら子供みたいに号泣してた

あいつをめちゃくちゃにぐちゃぐちゃにして 殺してしまいたいんだ

これから先 あいつの声を聞くことも 視界に入ることもないなんて

なんて幸福なことなのだろうと うっとりした目で告白したら

狂人に出会ったかのような目をされて はっと夢から醒めた


自由詩 秘密の願望 Copyright 赤椿 2019-05-15 23:18:26縦
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