五号
藤鈴呼



放射状ではないですが 
こちらにも 大きな国道 ありて 

ビュンビュンと 
北国の風を乗せて 進むタイヤは 
きしむことすら 忘れて 
遠吠えを 始める 

夜になれば ラッパの合図 
土曜の夜は集会だ などと言わんばかりに 
爆音ばかりを乗せて 
空気を震わせる 

待機が 不安定だからか 
逆立ちした サドルの合間で 

ぶらんぶらんと 手持ち無沙汰に
貧乏強請りを 繰り返す 

今日微 観なくなった風景ですねと 
嫌味たっぷりに 告げれば 

向日葵の 間合いを 
ゆっくりと 詰めて 

シロツメクサと アカツメクサと 
どちらがお好みですか などと呟く 

穏やかな サウンド 
メロディアスな リバウンド 

体重計ばかりが 
今日も正確に 
時を 刻んで いるようだ

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自由詩 五号 Copyright 藤鈴呼 2019-05-15 09:04:35
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