パンジー
よーかん

千葉の空き地に良く似合うのは、
菜の花の笑顔にもにた黄色だが、

菜の花が終わった頃に、
ニコニコと群生しやがる、
オレンジ色のあのポピーの毒々しさが、
分譲住宅地には最も似合っている。

パンジーはすでに過去の慰め。

キミが半熟の目玉焼きには
粗塩以外足してはいけない。

黄身がボロボロの
焼きすぎた目玉焼きには、

ケチャップが一番合う。

マヨネーズも美味いが、
何か物足りないなと必ずそう感じるからもったいない。

醤油?

味覚障害なんですか?

ワタシはつねづね少年達にこう伝えながら生きてきた

外でもカレーをたまに食べておかないと、
家カレーの味わいを理解できんなくなってしまうよと。

レトルトはカレーではない。
レトルトは商品だ。

ラーメンこそが革命家の食べ物である
そう団塊なオトコ達がのたまうのなら

カレーこそが詩人たちのガソリンであるとゲップしてやる

革命家気取りのフォークソング歌いどものファッションセンスのなさがオレは嫌いだ。

京都のカレー専門店で食べたカツカレーのカツは
カリッと揚がった薄いカツが
細めに切られた上、横にも一本包丁が入っていた

カレーと一緒にスプーンですくえるその心憎いオモテナシに
オレはお水のお代わりをすることもなく
静かに淡々と涙したのであった

革命家にはオモテナシの心がない。
客をなんだと思ってやがる。

政権反対プラカードな人種なんぞ
オレンジ色のポピーの陽気さもない
千葉ニュータウン過疎空き地のブタ草

あの薄気味悪い粉っぽい黄色でかゆくなる。

京都のカレー専門店の
カツカレーなオモテナシ。

オレはその大和心を上質と信じる。
パンジーもまたパンジーらしく咲く場所がある。
パンジーは冬を彩る家庭の愛だ。

千葉の空地には菜の花しか似合わない。

それがオレのハードボイルド未満。

ラーメンなんて並んで食うんじゃねえよ。





自由詩 パンジー Copyright よーかん 2019-05-11 18:54:23
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