シャラン
世界世紀


なんだかな

いっしょうけんめい悪ぶって
せいいっぱい知らんふりして
こっそり泣いてるのかくして
今日も笑顔です
こんなに淋しくてしかたないのに
こわくてひとりでしかいられない
滑稽なひとりごとばかり
天井ではねかえって
狂った音量で頭に響く

聞かれたくない祈りは
土踏まずと床のすきまから
体温と汗といっしょに漏れだして
からだもこころも冷やしていく
呪いじゃないんです
こおらせないで
ここにいたいんです
ちゃんとしあわせを祈ってます
冷たくなりたいんじゃないよ

今日は泣いてもいいことにしよう
叶わない願い事が冷やすこの部屋では
こぼした涙は次々凍る
床一面の氷の粒がシャラン
冷たくないよと一斉にシャランと鳴る




自由詩 シャラン Copyright 世界世紀 2019-05-10 06:59:46
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