点と線と君と
中原 那由多

点と点を線で結んだ
点と点の距離は彼方
いつの間にか近づいて
星座が浮かび上がったように
君がそこに立っていた

(二回の手拍子)

感電したかのように痙攣
静まり返った0.5秒、その後の
堪えきれない含み笑い

窓口を
隔てれば
テトラポットであるかのように
混濁、その感情を打ち崩す

霊峰であるが故
高嶺の高嶺の華だった
冷酷な眼差しで
いろはにほへと塵となる


点と線で君を待った
点と点を線で結べど
煙草の不始末、いとも容易く
幾度と無く幾度と無く
天の川を焼き切った

ネオンの隙間を絶えずに覗いた
刹那の総髪、黒揚羽
振り向くたびに
舞い踊り、落ちていく

許してほしい、と
君には伝えた
そのつもり
隠しきれない一方通行
素直になれずに一刀両断
開けてしまったパンドラの箱
匿名希望の救世主が
言葉でモザイクをかけたのならば
十字架は
墓穴の前で砕け散る


点と点は線で結んだ
点の数は果てしなく
線の長さは途方も無い

さあ
きみを
ころしなさい

君は肉塊
つまらぬ塊
されど帰る場所がある
頭髪が焼ける匂いと
骨が乾く音を嗜む
週末夕刻ネオンの真下
雨粒達のプリズムと
お祭り騒ぎのドンチャララ
蝶々が舞ってびらびらと
ナメクジ触覚つくつくと
夜が見える
夜が見える

夜に君はなっていた


星が一つ無くなった
君はもういないのだ
その行方を知ってはいるけど
君はもう、いないのだ


自由詩 点と線と君と Copyright 中原 那由多 2019-05-07 21:32:36
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