四十五歳のサンセット
番田 

なぜ外で誰に会うこともないのだろう
自転車の上で 終わっていく午後
僕は悲しげな顔をして
週末は 暗い風景を 誰に会うこともなく


きっと 明るい 青い空だった
あれは 外の仕事をまだしていた頃のこと
車の窓に見ていた 街の光景
僕はハンドルを握りしめ 新しいスーツを着ていた


かつてのサラリーマンのような人は少ないものだ
誰もが 幸せな思いでいることだろう
そこにいてほしい自分として歩いているのかもしれない
どこか憂鬱な顔をして 買い物に行く時も


十年後にはどんな人でも歳をとっていたりするものだ
金を握りしめていても まだ 若かったりした
僕には持っているものはなかったけれど 風景の中を
自由を持って 通りに出ていった



自由詩 四十五歳のサンセット Copyright 番田  2019-05-06 22:02:29縦
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