誕生日をおもいかえして
田中恭平


胸に花をさした夜は
町中の道がひかっている
ように感ぜられる
わたしの誕生日だったよ
もう
記憶をたぐる必要もなく
罪いっさいは裁かれて
あるいは
ゆるされて
母も
父も
歌を歌って
ケーキを出してくれたよ
わたしは恥ずかしくなって
日頃の行いすら
さっさとケーキを食べて
眠りにいってしまったよ
求めたものが
得られたこと
以上の
よろこび!
母も
父も
とんと文学はわからない
それを言えば
わたしだっていまだ
文学がわからない
でも
もうそれもいいんだ
応援してくれているから
ベッドで次のステージに上がるのを待っている
それから静かな日々がつづいた
そうしてやっと
見落としていたものに気づくんだ
あなた
あなたのことだよ!




自由詩 誕生日をおもいかえして Copyright 田中恭平 2019-05-06 08:39:04
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