天国
草野春心



  まるい
  光のとかげ
  うしろから頸を締めた
  深い 叫びのつぶて


  むかしのきみの幻に
  許してほしいと上目を遣った
  とっくに許されているくせに
  立ちどまるふりをして


  終わってしまった木々の
  かげを 僕はあるいていく
  潮風がきみの夢をみせつづける
  とっくに 許しているふりをして




自由詩 天国 Copyright 草野春心 2019-05-05 20:47:59
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