猫飼い
はるな


そうして春が去ったところへ猫が這入ってきて、
ごろなんと寝転んだ。
僕は寒いねと言い、
君は四十五度斜めと言った。
赤い新聞紙?と僕が尋ね、
そうそう、くじらのボールペンと君が答えた。
(それもほとんど重なるようにして)。
百度めの終わりに愛している、と僕が告げると、
愛している、と君がこぼした。
そうして春が去ったところへ猫が這入ってきて、
僕たちはついに猫飼いになったのです。



自由詩 猫飼い Copyright はるな 2019-05-04 23:10:36
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