カリメラ
ハァモニィベル
カリメラ 刻一刻、思いさだめて遂げる 深い一筋の刻み目
カリメラ 酒臭い沈黙のなかで酔いかけては醒める カリメラ
旗の切れ端は、雑巾のように今は静かに濡れている
たまたま眠ったりすれば いろいろな夢を見勝ちになり
炭酸が喉に散らかって
針金の葉が生い茂るのを掻き分ける
カリメラ 満月が死んだように隅の椅子に腰掛けて、
カリメラ 湯気を立てたストーヴで肢を燃やす子猫が、 あゝカリメラ
そこでうっとりと喉を鳴らすと、
痩せこけて骨と皮ばかりのニンフはその子猫を撫でながら
尽きることのない白い湯気を頬ばっている
カリメラ
カタチのない孤独が、後悔を同封し
風の声のように甲高い冬を恋するわけもないまま
斜めに突き出された着実な根の上に寝転んだまま
少しずつ少しずつ暮らしている
カリメラ
初夏の朝は 白く
重い陶器の皿の上にある
*
自由詩
カリメラ
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ハァモニィベル
2019-05-03 19:05:48縦