源 想

問う心に応えてほしい

何もかも確かめにくい

水面に投げたその石の

落ちる速度に気を取られ

本当の声をまた聞き落とす


優しい雨にごまかされて

いつか見た森の景色が霞む

また声が一つ消えていく

傍にいるはずの誰かとともに

自らを偽る罪に流されて


一体何に慣れろと言うのか

夏の痛みも冬の重みも

儘ならぬ心に比してはいない

辿り着いたと言い聞かせても

気づけばまた森の闇の底に


自由詩Copyright 源 想 2019-04-28 13:28:13
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