強い男には
こたきひろし

涙混じりで見た空と
渇いたこころで見た空に
何も違いはなかった


人は人だし
俺は何処までも俺だから
人の眼に写る空と
俺の眼に入る空の景色は
きっと違う


孤独を噛みしめたい時は
周囲は殺風景でいいよ
相手が欲しい日は
華があればいい
お互い気持ちが和むから

ずっと昔から
強い男に憧れてきた
なのに俺の正体は弱虫
弱虫にしかなれなかった

無口ではあったけれど
寡黙とは言えなかった

大人しくて真面目だったが
実直で誠実とは言えなかった

アア
何だろうこの人生

よくわからない
謎ばかりで
それでいて
その謎解きにかかる意思は持ち合わせていない

自分が存在している理由さえ
いつも尽きる事のない靄に飲み込まれていた


自由詩 強い男には Copyright こたきひろし 2019-04-28 09:12:13
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