夜は終わるものさ
竜門勇気


自動で変わり続ける
チャンネルを見てる
唇を言葉が濡らす
顎を伝う膝に落ちる

夜は終わるだろうな
こんな調子じゃ
いつまでもなんて
おもえない

となりでレイプが始まる
そのうち良くなるよ
この場の多数決で言えば
それが正しい

逃げ場なんてねえぞ
お前は死ぬまで
生きてるなんて思えねえんだ
誰に言ってんだ?
誰かが納得する音を聞く
ぬかるみを歩く足音

シーツに茶色いシミがある
なにか幸せな過程がある
たどり着くのは呼吸の間にある真空
すべてを知った神様に
明日、ここで待ってるように言われた
この夜はあいつを出し抜くロジックを創る
そう決めて氷を腹いっぱい食べる

逃げ場なんてねえぞ
安心できる場所なんて
最初に捨てたろ?身軽になりたくて
誰に言ってんだ?
うなずく人たちが影になって
ぬかるみを歩く足音

自動で変わるチャンネルは
時々、思い沈むようにとどまる
意味があるように見えるし
ただの停滞のようにも見える
待ってると約束した神様は
今日もあらわれない
カビた木の机の前で
時々眠ってしまう

あのときヤラれてたあいつが
ぼたぼたキミドリの精液を垂らしながら
俺を見下ろして勝ち誇る

”それは きみの 悲劇だろ ”
こんな言葉が自分から出たのも随意な待ち人の仕業
寝返りで消えていく
納得してたじゃないか、きみも
神様に言えよ
ここで待ってれば会える

チャンネルはねじれてる
時間はねじれてる
夜のことなら何でも訊いてくれ

ああ、そうだね
残念だけど夜は終わるものさ


自由詩 夜は終わるものさ Copyright 竜門勇気 2019-04-19 23:31:43
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