火宅の猫
たま
姉の家のミィが死んだ
二十年生きて死んだ
遠い町に就職した甥が結婚して離婚して
ミィを連れて帰ってきた
甥はまた遠くの町へ行き
ミィは姉の家で暮らすことになった
ときどき別れた嫁がやってきて
姉の家の居間で
ミィと酒を呑んでいた
造り酒屋の娘だったという
あれから二十年
ミィが生きた歳月は
姉と甥と別れた嫁の二十年だった
ミィ、ありがとう
みんな感謝しているよ
ミィ、また会おうね
自由詩
火宅の猫
Copyright
たま
2019-04-06 09:55:46
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