小さな春
朝焼彩茜色

あの春から この春がやって来た
馨りはまだ手のひらの上
ふわっと小さな宇宙を乗せて
ここへ ここへとやって来た

呼び覚まし 瞬間にカチッとアルバムにはまる
大事な 大事な一期一会を刻んで 切なさに
頷いて 歩んだ消えない足跡の付箋のページに
陽だまりを手招いて 背筋を伸ばす

瞳と心を繋ぐその踊り場で
新しいもの そのままのもの
それと さよならするもの
この春の中に綴じ込める

馨りの鍵をしめ
ふわっと大きな宇宙へ預ける
半分上の空で委ねられて
ここへ ここへ また巡ってくる


自由詩 小さな春 Copyright 朝焼彩茜色 2019-03-05 11:35:21縦
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