なんでもない日
卯月とわ子

今日は何色でもない
なんでもない日でした。
朝日が昇って
みんなが活動を始めて
貴方とお別れをして
今日が貴方の日になりました。

永遠のお別れと言うやつですね。

わたしと貴方の距離は
他人から見れば遠いものだったのかもしれません。
優しさのほんの小さなかけらを
気まぐれに貴方に渡していたわたしと
それを全力で受け止めようとしていた貴方の
熱量の違いは一目瞭然でした。

わたしは貴方が嫌いでは無かったけれど
心地良いと感じる距離は遠いものだったんです。
今となってはただの言い訳でしかないのかもしれませんが
貴方と過ごした10年は楽しいものでしたよ。

貴方を愛していたあの人が
貴方やわたしよりもうんと早く旅立ってしまってから
数年が経ったんです。
貴方の旅路のゴールできっとあの人は待っています。
わたしよりももっと愛情表現が苦手なあの人は
誰よりも貴方を愛していましたから
きっと心の中で喜んでいるはずです。

いつか
近い将来かもしれませんが
いつかわたしもそちらへ行きます。
その時は貴方ともっとゆっくり会話ができているようになりたいものです。

その日まで
しばらくの
永遠の
お別れです。

さようなら。


自由詩 なんでもない日 Copyright 卯月とわ子 2019-02-16 19:41:55
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