遠吠え
犬絵


目の前が真っ暗
けれども
光るしあわせが
横切るのは
みえる
はじめ
それが小鬼かと
思ったので
世界に対してもっている
咳払いのような嫌悪感で
吠えながら
刺し
殺そうと
した

ミタカッ、
シッタカッ!

天を仰ぎ
鬼畜ゴロしを
讃えて欲しくて。

けれども違ったよ
しあわせって
哀しみのあと海の遠くから
イルカに乗って
やって来るんだ

へぇー?
そうなんだ

混み合った電車で
インフルエンザには
気をつけられない
人ごみで
咳き込むマスクをしたみなさんに
揚げ出し豆腐のような
真っ白くはない油まみれの疑問を突きつけたい
みなさん、
お家は
しあわせせですかって。

ねむること
おしゃべりすること
あるくこと
おひさま
ぬくもり
いつでも
しあわせ

ねむること
おしゃべりすること
あるくこと
おひさま
ぬくもり
いつでも
しあわせ

ねむること
おしゃべりすること
あるくこと
おひさま
ぬくもり
いつでも
しあわせ

おさかな天国みたいな
しあわせじごくって
あるんだなぁ

(うまくいかないなぁ)

って言えば夜道に月はなく

目の前が真っ暗になって
けれども
光るしあわせが
みえる
もう知っている
みえるだけの
捕まえられない
しあわせ色の
哀しみに

遠吠え








自由詩 遠吠え Copyright 犬絵 2019-02-16 07:02:56
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