不死の女
ナンモナイデス



不死の女を殺した。長年の願望であった傘で殺してやった。
女がいつも帰りに渡る陸橋の踊り場で殺してやった。
赤いスカートが風で翻った瞬間、傘の先端を女自体にぶっさして、
ぐいぐい差し入れて、心臓をぶっさし殺してやった。
こうすればナイフで刺し殺したりするより死体は美しい。
傷口が付かないからだけれども…
何、どうせこいつはゲノム改造されて不死にされてしまった女に過ぎない。
厚労省も推奨しているぐらいだから。
まったく誰がこんな女を造ったのだろうか…

21世紀には倫理が崩壊してしまい何かと傲慢なヒトヒトとなってしまった。
不死の女は美人であり傲慢である。
だからみつけ次第殺されるのである。
罪に問われないという保障つきだからと言うこともあるけれども。
殺人がしたいとか、いろいろな殺し方を試してみたいとか、
不死の女の用途は無限にある。





散文(批評随筆小説等) 不死の女 Copyright ナンモナイデス 2019-01-30 20:50:19
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