シグナル―トンネルのさきの光―
ペペロ

トンネルを音楽を聴きながら歩いた

自宅と職場のあいだを

トンネルを音楽を聴きながら歩いた

電信柱の多い坂の道を

トンネルを音楽を聴きながら歩いた


女のため息は

蛍光灯にしか照らされていなかった

道にはチラシやゴミが散乱していた

美しいものなどなにひとつないのに

トンネルのさきに女は光を見ていた

だから歩いた


トンネルを音楽を聴きながら歩いた

自宅と職場のあいだを

トンネルを音楽を聴きながら歩いた

電信柱の多い坂の道を

トンネルを音楽を聴きながら歩いた








自由詩 シグナル―トンネルのさきの光― Copyright ペペロ 2019-01-25 19:19:16
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