氷の壁が
こたきひろし

街は正解と不正解が犇めいていたし
真実は虚構になぎ倒されてもいた

いっさい血は巡らない空の下には
寒気の壁が立ちはだかって
人は誰もしあわせな気持ちを手に入れられない

それでも欲望の舌は渇かないから
物欲 金銭欲 食欲 性欲
その他の欲望に涎が止まらない

ああ嫌だ厭だいやだイヤだ

飽きてしまった

こんな世界

私は正解と不正解の産物
真実は悪魔に飲み込まれてしまいそうだ


自由詩 氷の壁が Copyright こたきひろし 2019-01-21 06:35:30
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